沖浦 慶彦さんが第84回分析化学討論会(京都)で発表しました 2024年5月18日
2025年6月2日
@factory
2025年6月18日
沖浦 慶彦さんが第84回分析化学討論会(京都)で発表しました 2024年5月18日
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CMC解析

背景

セラミックス碁複合材料(CMC)とは

CMCはセラミックスを母材(マトリックス)として、繊維を補強材として組み込むことで機械的特性を向上させた複合材料です。

セラミックスは、高温に強く、さびにも強いという利点がありますが、力が加わると割れやすいという欠点があります。そこで、セラミックスの中に繊維を加えることで、割れにくくする工夫がCMCです。

この「割れにくさ」のことを「靭性(じんせい)」といいます。靭性が高い材料は、ひび(クラック)が入りにくく、進みにくくなります。繊維は、力が集中しやすい部分でそれを分散することで、割れの進行を防ぎます。

例えば、普通のセラミックスだと、ひびが入るとそのまま割れてしまいますが、CMCでは繊維がひびを止めてくれるため、壊れにくくなります。このような特徴から、CMCは長く使える信頼性の高い材料として注目されています。

CMCは、ジェットエンジンや熱交換器、宇宙関連の部品など、高温にさらされる場所で使われています。軽くて強いため、燃費の改善や性能向上にも役立ち、今後ますます期待されている材料です。

近年では、繊維やマトリックスの改良、製造方法の進化により、CMCの性能はさらに良くなっています。一方で、作るときや使っている間にできる小さな穴(ポア)や小さなひび(マイクロクラック)を見つけて評価することも重要になっており、非破壊検査技術の開発が進められています。

CMCは、ジェットエンジンや熱交換器、宇宙関連の部品など、高温にさらされる場所で使われています。軽くて強いため、燃費の改善や性能向上にも役立ち、今後ますます期待されている材料です。

近年では、繊維やマトリックスの改良、製造方法の進化により、CMCの性能はさらに良くなっています。一方で、作るときや使っている間にできる小さな穴(ポア)や小さなひび(マイクロクラック)を見つけて評価することも重要になっており、非破壊検査技術の開発が進められています。

目的

私たちの研究では、次世代の耐熱構造材料として注目されているSiC/SiC複合材料(CMC)に発生する亀裂(クラック)の検出・評価・予測をテーマとしています。

破壊メカニズムの解明や材料の健全性評価に貢献するため、主に以下の3つの目的で研究を進めています。

① 画像処理による亀裂検出手法の開発

X線タルボ•ロー撮影装置を用いて撮影したX線小角散乱画像などから、材料内部の亀裂を自動で検出する画像処理技術を開発しています。

現在は人の手によって亀裂の位置を確認しているため、作業負担やヒューマンエラーの影響が大きく、機械学習のためのデータ品質にも課題があります。

これを改善するため、定量的かつ高精度な亀裂検出アルゴリズムの構築を目指しています。

② 亀裂の定量・統計的評価

検出された亀裂について、長さ・幅・輝度などのパラメータを定量的に評価し、統計的に解析します。

現時点では、X線小角散乱画像に映る亀裂と、最終的な破壊(破断)との関係は十分に解明されていません。

そのため、本研究では破壊に寄与する“重要な亀裂”を特定・予測するための基礎データの収集と分析を行っています。

③ 機械学習による破壊予測モデルの構築

画像処理で得られた亀裂の情報を活用し、機械学習を用いて破壊に至る亀裂を予測するモデルの開発に取り組んでいます。

将来的には、材料評価の現場で亀裂画像から破断リスクを自動で判定できるようなシステムの実現を目指しています。

解析統計指標

関連資料


[1] 小暮 崚, 柴田 千尋, 田胡 和哉, 香川 豊, 田中 義久, 佐藤 玲於奈,
"振動モードを使った敵対的生成ネットワークによる複合材料の異常検知",
第84回情報処理学会全国大会講演論文集, vol.2022, no.1, pp.233-234, 2022年2月.

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