現在,AI を活用したロボットの研究開発が急速に進展しており,自律制御を可能にするロボットが登場しつつあります.しかし,AI アルゴリズムの技術的進歩のみでは,現実の社会的ニーズを満たすロボットの開発は困難であり,今後の課題になります.なので,その課題を解決するための対策を立案し,そのための現場のニーズを調査し,AI技術を用いて,社会的ニーズを反映させた価値があるロボットの技術開発を行う手法を実現する必要があります.
本活動の目的としては,対象を製造業に絞り,そこで用いられるロボットへのAI技術適用を行うための研究・開発環境を構築することです.
現状,工場という環境下で開発を行おうとした際に,状況によって流動的に変化してしまうため開発環境の構築が難しくなってきます.なので,そのような環境下で適用するロボットを開発するためには,柔軟に変更が効き,効率よく技術開発ができる場が必要になります.
実空間をデジタル空間にて精緻に反映させる事が可能なデジタルツインを用いた精緻な仮想工場を構築します.これにより,開発環境の構築が容易になり,効率的に開発を行う事ができます.
2.シミュレーション競技会「@factory」の設計・開催
仮想工場を用いた手法の検討案としてシミュレーション競技会「@factory」の設計・開催を行います.構築した環境を用いて,ロボットに用いられるAI技術およびそのアーキテクチャを競技の形式で共同して開発する場を構築します.また,ここで構築した仮想工場の共有およびフィードバックを得ることでより精緻な仮想工場の構築を目指します.