セラミックス基複合材料

本研究で取り扱うセラミックス基複合材料(以後:CMC)は微細なき裂を許容し、高圧高温の環境下でも完全破壊をしにくく、軽量である。この材料は航空機エンジンや新幹線等のブレーキパッドなど、幅広い分野での利用が期待され、品質を保証するための検査手法の開発が進められている。現在はサーモグラフィーや共振モードなどを使用した検査手法が存在するが、確立した検査手法が存在しない

ロボットビジョン・Spatial AI研究室では、X線タルボ・ロー撮影装置で得られる小角散乱画像を用いた新たな検査手法を手案し、検査手法を確立させることを目的としている

小角散乱画像を用いることで、一般的なX線では観察することができないき裂やボイドを可視化しすることが実現でき、素材の劣化度の評価に使用することができると考える。得られる小角散乱画像

本研究では、小角散乱画像に白く映るき裂を自動で認識し、き裂の大きさや開口量などの特徴量を用いて現在の劣化度を推定する手法の提案を目指す。き裂の自動検出き裂の自動検出及び教師データの作成。

機械学習を用いてき裂検出を行うためには、教師データを用意する必要がある。教師データを作成する際、小角散乱画像が不鮮明であるため、専門家でも材料に入ったき裂の正確な境界を識別することが難しい。また、作成者によって判断基準のばらつきが生じ、データが一貫性に欠ける。一貫性があり、材料の特性に適合した教師データを効率よく作成できるよう、補助を行うツールを提案する。

き裂の評価

き裂が検出されたと仮定し、き裂の大きさや長さ、開口量などと言った特徴を分析し、材料が破壊する際に寄与率の高い要素を特定する。これにより、材料の劣化度を推定する際に重要な要素に重みを付け、数値化を図る。

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